岸和田市 古民家リノベーション Japanese Traditional House Renovation@Osaka
以前は田の字型プランの各室に箪笥を置く収納方法だったが、今回は主寝室隣にもウォークインクローゼットを隣接して確保。LDKには斜め30°の壁を配置し、玄関からキッチンまでアクセスする裏動線も兼ねてパントリー収納を確保。収納空間を生活空間の間に取り込むことで、収納空間を身近に置き暮らしやすさを実現した上、生活空間同士のプライバシーを明確に分ける役割も担う。
裏動線も兼ねた30°の壁は、トラディショナルな水平垂直平面に新たな方向性を生み出し、空間の広がりを一層引き立てている。
意匠面だけではなく、次世代へ住み継がれるべきための建物の長寿命化もしっかりと施した。
断熱面は、既存土壁の解体を最小限に抑え外断熱。土壁の蓄熱性を活かした熱容量の高い住宅を目指した。
屋根は2種類の断熱方法を使用。
既存野地板を仕上げとして見せる下屋の部分はフェノバボードによる屋根上断熱。その他は屋根下にセルロースファイバーを吹きこむことで、前者の方法ではウィークポイントとなりがちな面戸の断熱もしっかり確保している。
また耐震面では、束石立ての基礎に配筋/コンクリートを打設し補強。屋根は既存の日本瓦を降ろし、防水もしっかり施した上で軽量なガルバリウム鋼板で葺き替えた。